チーズはどこへ消えた? 著者:スペンサー・ジョンソン
今回は、変わることの大切さを教えてくれる書籍を紹介します。
どんなに悪い職場でも、慣れた環境っていいですよね?
しかし、それに甘んじては何も成長出来ないし、今後の人生を無駄にしてしまう可能性があります。
私たちは縛られて生きるのではなく、自由に選択して生きる権利があることを忘れないで欲しい。
こんな方にオススメです!
- 人生がつまらないと感じている
- 転職したいけど何もしていない
- 環境の変化に恐怖がある
掴んだ幸せは永遠ではない
この本は特別なチーズを求めて長い迷路を進む「2匹のネズミ」と「2人の小人」の物語です。
彼らの行動は現代人において重要且つ、教訓としなければいけない内容となっています。
彼らの性格と行動は以下の通りです。
ネズミは環境の変化を敏感に感じ取り本能に従って進む行動力はあるが、思考を巡らせる頭脳を持っていない為、迷っては進みを繰り返しながら、ダメだった道を覚えて常に新しい道を進んでいき、チーズ・ステーションを探し当てます。
小人は過去の経験から教訓と思考を用いて高度な方法を作り上げていく。しかし確実に上手く行くわけではなく、失敗や人特有の感情や思念により、迷路がより難しいモノになりつつも、自分たちのやり方を貫き、チーズ・ステーションを探し当てます。
2組とも違いはあれど同じように目的を達成させていきます。
ただ、ここからが重要です。
チーズ・ステーションには沢山のチーズがあり、ネズミと小人は毎日足を運んでチーズを食べていました。
しかし、2組の行動はそれぞれ違っていました。
ネズミは毎日朝早く起き、チーズ・ステーションにつくと辺りを走り、匂いを嗅ぎながら前日と変わった所が無いかを調べる。彼らはこれを毎日行っているのだ。それから腰を落ち着けてチーズを食べていた。
小人は最初は朝早く起きていたが、次第にゆっくりになり、家もチーズ・ステーションの近くに引っ越した。時には友達を連れていき、沢山のチーズを自慢して分ける時もあった。2人にはこの達成が誇りとなり、これだけ沢山のチーズを持っている自分たちは安泰だと口にしながらお腹いっぱいチーズを食べていた。
ところがある日、チーズ・ステーションからチーズが無くなっていた。
しかしネズミは慌てなかった。何故なら毎日チーズ・ステーションの状態を調べていた為、そろそろ無くなることがわかっていたからだ。彼らはすぐに次のチーズ・ステーションを探す為に迷路を進んでいく。
一方小人は絶望する、「チーズが消えた」と。
沢山あったはずのチーズが無くなっている現実を受け入れられず、無くなった原因を分析し始める。
しまいには夢だと考え、翌日に再び訪れるもやはりチーズはどこにも無い。そして1人の小人は言う、「あんなに苦労して手に入れたモノが無くなっていいはずがない、これは我々のせいではなく誰かのせいなんだ」
さて、ここで皆さんに質問です。
迷路を人生、チーズを現代のお金や地位として置き換えて考えてください
今の自分は、ネズミと小人のどちらに当てはまるでしょうか?
目的を達成して幸せを手に入れた後、それが永遠に続くものだと安堵していないでしょうか?
苦労した自分はこれ以上何もしなくていい。ただそこにいるだけで価値のある存在である。
そんなことを考えていると、いつの日かあなたのいる場所の環境が変わり、それを受け入れられないと文句を言い、そして取り残された挙句、全てを失ってしまう。
自分のモノが大事なモノであればあるほど、それにしがみついてしまう。
それが破滅に繋がってしまうかもしれないのに。
変わる「勇気」と「恐怖」
変わらなければ破滅してしまう。ならば変わるしかないと考えるのは自然だ。
だけど、それに恐怖を感じずにいられるだろうか?
仕事を辞めて新しい職場に転職するのと、面白そうな所にアルバイト先を変えるのとでは規模や仕事の役割は違えど、状況としては同じなのに前者の方が大きな決意がいりませんか?
仕事だけではなく生活環境だって同じです。
実家から別の場所への1人暮らしも同じような恐怖を抱えるはずです。今まで何不自由なく暮らしていた環境から、自分でやらなければ生きられない環境に変わる。
私たちは人生を天秤にかけた瞬間、あからさまに恐怖を生み出してしまう。
それは仕方がないことでもあると同時に、乗り越えなければならない絶対の壁なのです。
1人の小人は決意します。
ネズミたちのようにチーズ・ステーションを出て、新しいチーズを見つけに行くことを。
しかし、もう1人の小人は動こうとしない。
あんなに頑張って見つけたこの場所を離れるのが怖い。
もうあの頃のように走れない。
もし何も見つからなかったらどうするんだ。
道に迷って帰れなくなったらどうするんだ。
沢山の言い訳を並べて現実を受け入れられない1人を残し、決意した小人は長くて暗い迷路にまた足を踏み入れた。
2人の小人は始まりは同じでも、変わろうとする恐怖に対し勇気を出した者と、その勇気を受け入れられない者の2つに分かれてしまった。
現実と重ねた場合、どちらが正しい選択なのかはこの時点ではわからない。
何故なら行動することが正しいと私の中で思っていても、実はじっとしていた方に何か大きな幸運が舞い降りてくるかもしれない。
それは本の中の物語だからとかではなく、当事者が何を正しいと判断したのかが重要だからだと私は感じます。
変わることが絶対的に正しいとは言い切れないのもまた事実。
ただハッキリしていることは、現実から目を逸らすことは、人に誤った選択をさせてしまう可能性が高いという事です。
非現実的な考えは止めて、今を見ることを諦めないで欲しい!
悪魔の言葉「居心地がいい」
私たちは環境の変化を恐れます。
それは何故なのだろうか。思いつく理由を書いてみた。
- 慣れるまでが大変だから。
- これまでの地位をリセットするから。
- 知り合いがいないから。
- 勉強しなきゃいけないから。
- 今の生き方しか知らないから。
理由はその人の生活環境だったり立場だったりと様々だと思いますが、私が書いてみた理由の中に潜む悪魔の事があります。
それは、今の環境の居心地がいいから。
これ自体は決して悪くはないです。だって居心地のいいところで過ごしたいし働きたいじゃないですか?
ただ、世界は常に変わっていきます。
そのことを私たちは理解しなければいけません。
迷路に入った小人は次々とチーズを見つけるが、どこも欠片程度しか残っていない。
行動するのが遅すぎたと後悔しながらも、その欠片を拾って、引きこもってしまった小人の為に持って帰る。
しかし持ってきたチーズを食べようとしない。
彼は言う「このチーズは好きじゃない気がする。前のチーズの方が好きだった。私はあのチーズが欲しいんだ。」
彼の言う「あのチーズ」という言葉は、私を恐怖に包んだことを覚えています。
仕事、恋愛、地位、名誉など、執着や固執を強く感じる言葉です。
これが一歩間違えれば、犯罪へと結びついてしまう時もあることを覚えておきたいですね。
「これだけでいい」「ここに居れば安全」というのは自分への言い訳でしかないのです。
最大の障害は自分自身の中にある
変わろうとする意志は自分でしか引き出せない。
それは誰かに答えを委ねようとも、物事を決断するのは自分自身だからだ。
選択の答えはその時になってみないと分からない。
世の中は希望的観測だけでは生きていけないのだ。
更に奥へと進んでいく小人にもう恐怖は無く、欠片だけでも新しいチーズを見つけることが楽しくなっていく。
彼はもう気づいていた。
元々いたチーズ・ステーションのチーズはもう少なくなっていたし、残りも古くなっておいしくなくなっていたんだ。既にカビていたかもしれない。
毎日見ていたのにその変化に気づけなかった。ちゃんと周囲を見回し、匂いを嗅いでいればそれだけ早く新しいチーズに出会えていたのだろうと。
そしてついに、彼は新しいチーズ・ステーションを見つける。
そこには見たことないほど高く積みあがったチーズと、始めてみるチーズが辺り一面に広がっていた。
先に行動していたネズミたちは既にこの場所にたどり着いていた。
小人は新しいチーズを楽しみながら、これまでに学んだことを思い返した。変化を恐れ、もう無くなったチーズの幻想に囚われていた自分は何だったんだ。
難しく複雑な分析はいらなかった。環境が変わったのだから、それに応じて自分たちも変わらなければいけなかったんだ。
そうしなかった自分の行動をばかばかしく思えることで変われた。
自分の愚かさをあざ笑い、見切りをつけて前進することで人は変わることができるのだ。
彼はチーズを楽しみ続ける。チーズの状態を確認し、匂いを嗅ぎ、予期せぬ変化に対応出来るように。
過去にしがみついても、現状は何も変わらない。
近年のコロナショックは、今まで安心しきっていた人々の環境をことごとく崩していった。
コロナが悪いというよりもまず、変化は常に起こる可能性があるということを知らなくてはいけない。
私は10年以上接客業しかやってこなかったが、30歳を前にしてIT業界に転職する決断をしました。
正直恐怖しかなかったです。
プログラム言語なんて人生で一度も触れたことが無いのだから。
しかし逆にこのまま接客業の道しか知らない事にも恐怖を感じていました。寧ろそっちの恐怖が大きかった気がします。
そして転職したのですが、入社して2年間はほとんどコードに触らせてもらえず、勉強も疎かにしていた為、ずっと新人レベルのままでした。
そこで私は、大阪に異動届を提出し、環境を丸っと変えました。
その結果、給料は倍近く上がり、役職にもつけました。IT業界に転職したことでコロナショックの影響も受けませんでした。
2度の変化を経験し、恐怖を乗り越えたことで得られる対価が大きいことを、本書を読んで私自身が体現出来ていたことに気づくことができました。
まとめ
本書は現代人に絶対読んで欲しい1冊です!
変化は起こると分かっていても、簡単には行動することができないのも現実。
深く分析する必要はなく、より単純で簡潔な答えで実は出来てしまうことかもしれません。
物事を複雑にしてしまうのは人間特有の悪い癖です。
「環境が変わった」ただそれだけでも変わろうとする理由に十分なのではないでしょうか?
変化を予期し、探知して適応していきましょう。
自分から進んで変化しようとするればきっと楽しくなるはずです。
一緒に変化を楽しみましょう! 新しい事にチャレンジしましょう!
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